和テイストの作風と匠たちの技術が融合

ジークレー(giclee)とは、フランス語で〝吹き付ける〟という意味をもった言葉から発した、いわゆるデジタル版画の呼び方です。絵画作品の画像を高性能スキャナーでデジタル化し、数万色を使って刷り絵を制作する技術として1980年代に登場しました。それは、作家と印刷技術者のノウハウが融合して培われてきたもので、江戸時代に日本で開花した錦絵の分業にも通じるアートです。

三代目歌川豊国筆 「今様見立 士農工商」職人 より

原点は江戸時代の錦絵

錦絵は江戸後期に浮世絵として庶民たちの間でブームとなり、歌麿、写楽、北斎や広重などの作品は海を渡りヨーロッパ印象派の画壇にも影響を与えました。その錦絵を支えたのは、絵師たちの優れた芸術性ばかりではなく、木版を精密に彫る彫り師であり、また何枚もの刷りを正確に刷り重ねていく摺師、ベロ藍を採用した版元の先取の試みでもありました。

デジタル技術による現代の錦絵

五叟は、そのジークレーを「現代の錦絵」と位置づけ、さらに和風のテイストに基づく技法を加えながら、新たなアートしての確立を目指しています。また、印刷界でジークレーに造詣の深い匠たちと、デジタル技術による現代版画の品質を高めようと、互いに協業しつつ成果を求めています。

たとえば、作品の細かな凹凸をも捉える高性能かつ大型作品に適用できるスキャニング機とその技術、得られた画像データを忠実に再現するためのモニター技術の高度化、発色や耐光性に優れたインクの採用、数万色を着色していくプリンティング技術、その着色を細大漏らさず受け止めるペーパーの探求、さらには厳密な色域検査などであり、それら各分野の匠たちの技術や経験が活かされて、1枚のジークレーが丹念に作られていきます。

肉筆を加え1枚1枚がオリジナルに

ちなみに、五叟の画風には繊細かつ温かみがあり、彩りも鮮やかだと好評です。五叟ジークレーでは、そうした画風とともに、作品によっては一枚ごとに肉筆を加えるなどしてオリジナル性をさらに高めています。

最新のデジタル技術とインク用紙などのカスタマイズをジークレー制作の匠たちとともに研究し、最高のクオリティーを追究しながら提供していくのが五叟ジークレーです。